メタボリック症候群は大人の話ばかりではありません。食生活や小児の日常生活が変化した現代、小児メタボリック症候群も他人事ではありません。小児メタボリック症候群の診断基準は、ウエストのサイズが80cm以上(成人のメタボリック症候群の診断基準と違い男女一緒です)、血圧が最高で125mmHg以上、最低が70mmHg以上、空腹時血糖値が100mg以上、高脂血症においては中性脂肪が120mg/dl以上または善玉コレステロールが40mg/dl未満。小児メタボリック症候群の診断基準では、これらのうち2項目以上に該当する子供を小児メタボリック症候群と診断します。小児メタボリック症候群の診断基準としてはウエストのサイズが最も重要視され、ウエストを身長で割った数値が0.5以上の場合や3項目には該当しないがウエスト80cm以上の子供は、小児メタボリック症候群の予備軍とされるようです。
小児メタボリック症候群の原因である肥満。乳児期の肥満は成人肥満に移行するものではないとされていますが、小児の肥満は20歳の肥満と関連するとされています。小児肥満症にも診断基準が設けられています。小児肥満症の診断基準は、5歳0ヵ月以降の肥満児で、高血圧、2型糖尿病、耐糖能障害、腹囲増加または臍部CTでの内臓脂肪蓄積、睡眠時無呼吸症など肺喚起障害のうち1つ以上を有するもの、さらに診断基準では肥満度が50%以上で、肝機能障害、高コレステロール血症、高中性脂肪血症、高インスリン血症、低HDLコレステロール血症、黒色表皮症、高尿酸血症のうち1つ以上を有するもの、また肥満度が50%未満で2つ以上有するもの、という診断基準があります。肥満や小児メタボリック症候群は親の責任の部分が大きいものです。小児肥満症の診断基準、小児メタボリック症候群の診断基準に該当するなら早急に、そうでなくても小児メタボリック症候群の予防・改善をしましょう。
子供の肥満が増加する中、小児メタボリック症候群も注目視されるようになってきました。アメリカではスナック菓子の食べ過ぎで子供の肥満が問題視され、食品会社に子供向けのCMやおまけを取りやめるように求めたという話があります。イギリスにおいては、テレビCMや自動販売機の設置を規制する計画を実施しているようです。小児メタボリック症候群の診断基準が設けられたということは、それだけ注意を促さなければならないということ。小児メタボリック症候群も成人のメタボリック症候群と同様、バランスの取れた食生活、体を動かすこと、規則正しい生活が大切です。もし、子供の体が気になるようなら、診断基準をしっかり認識し早急に改善してきましょう。
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